足底筋膜炎

足底筋膜炎とは、足裏の筋膜(足底筋膜)が炎症を起こし、歩行や立位時に痛みが生じる状態を指します。典型的な症状としては、朝起きた直後や長時間座った後に足裏に強い痛みを感じたり、かかと付近でピリッとした違和感を覚えることが挙げられます。
痛みが続くと、日常的な歩行や立つことが難しくなり、場合によっては足底部分に腫れが現れ、触れると熱感や圧痛を伴うこともあります。症状が慢性化すると、歩く際の負担が増し、つま先立ちや階段の昇降でも痛みを感じることがあります。
足底筋膜炎の原因について

足底筋膜炎の主要な原因は、足底筋膜への繰り返しの負担です。この筋膜は、かかとから足指の付け根まで広がり、歩行や走行時に体重を支え、衝撃を吸収しています。長時間の立ち仕事やランニング、過度の運動などで繰り返し強い負荷がかかることで、炎症が発生します。
また、足のアーチが高すぎるハイアーチや低すぎる偏平足の場合、足底筋膜にかかる圧力が偏りやすく、発症リスクが高まります。適切なサポートのない靴や硬い地面での歩行も、筋膜に過剰なストレスを与える要因となります。さらに、肥満が原因で足底筋膜への圧力が増し、炎症が引き起こされることもあります。
加齢や運動不足によって足底筋膜の柔軟性が低下し、ふくらはぎの筋肉が硬くなると、足底筋膜への負担がさらに増すことになります。これらの要因が複合して症状を引き起こすのです。
足底筋膜炎の症状について

足底筋膜炎の主な症状は、かかとや足の裏に強い痛みを感じることです。特に、朝起きた直後や長時間同じ姿勢で座った後に立ち上がると、足を地面につけた瞬間に痛みが強くなります。歩き始めると痛みが和らぐこともありますが、長時間歩いたり立っていると再び痛みが強くなります。
また、つま先立ちや階段の昇降、ジャンプなどの動作でも足底に痛みを感じることがあります。進行すると、足の裏の筋膜や周囲の組織に炎症が起こり、触れると圧痛や違和感を伴うこともあります。症状が悪化すると、歩行や立位などの日常的な動作にも支障をきたし、無理に動かすと痛みが悪化することもあります。
足底筋膜炎の治療には、安静やストレッチ、ふくらはぎや足底筋肉をほぐす運動、適切な靴やインソールの使用、体重管理が含まれます。症状が長引いたり悪化した場合は、整形外科や専門医の診察を受けることが重要です。






