ばね指について

ばね指は、指を動かす際に曲がった状態から戻りにくくなったり、急に弾かれるように伸びる動きが起こる症状で、日常の作業に支障を与えることがあります。主な特徴として、指を曲げ伸ばしすると動きが引っかかるように感じたり、「パチン」と跳ねる感覚が生じる点が挙げられます。

こうした状態が続くと、指を動かすたびに痛みが出たり、不快感が強くなることがあります。また、症状が悪化すると、関節周囲が腫れたり赤みが出るなど、炎症による変化がみられる場合もあります。

ばね指の原因について

ばね指が起こる原因は、指の付け根を通る腱が、その腱を滑らせる役割を持つ「腱鞘」という細い通り道をスムーズに通れなくなることにあります。普段は腱が腱鞘の中を軽い力で行き来し、指の曲げ伸ばしを助けていますが、腱や腱鞘に炎症や腫れが生じると動きに抵抗が生まれ、滑らかに動かなくなるのです。

その結果、指の動きにひっかかりが出たり、伸ばしたときに急に「パチン」とはねるような動きが現れます。この炎症が起きる背景として、指を頻繁に使う作業や、強く握る動作を繰り返す習慣が大きく影響します。

また、腱や腱鞘が厚くなることで通り道が狭くなることや、骨のわずかな変形が腱に干渉することも要因となります。加えて、糖尿病・関節リウマチなどの疾患、妊娠や更年期によるホルモン変化が影響して起こりやすくなるケースも多く、これらの条件が重なることで発症リスクが高まるといわれています。

ばね指の症状について

ばね指によくみられる症状として、指を曲げ伸ばしする際の動きが滑らかでなくなり、動作の途中で急に痛みが出たり、引っかかるような感覚が生じることがあります。特に、朝起きた直後や長時間手を使わずにいたあとに症状が強まる傾向があります。指が曲がった状態で固まってしまい、自力では戻せないケースもあり、その際に反対の手で伸ばすと「パチン」と弾けるように戻ることがあります。

また、指の付け根や腱の通り道に炎症が起こることで、腫れや熱っぽさ、触れたときの痛みを感じることも珍しくありません。症状が悪化すると、物を握る・文字を書く・衣服のボタンを留めるなど、日常の細かな動作に困難が生じる場合も出てきます。

ばね指は自然に軽快する場合もありますが、放置することで炎症が進行し、指の可動域がさらに制限されてしまうことがあります。そのため、異変を感じた段階で無理な使用を避け、手を休ませることが重要です。症状が続く場合は、整形外科や手の専門医に相談し、早期に治療やリハビリを行うことで改善が期待できます。