テニス肘について

テニス肘(外側上顆炎)とは、肘の外側に位置する筋肉や腱の付着部が負担の積み重ねによって炎症や微細な損傷を起こす状態を指し、スポーツだけでなく日常生活の動作にも影響を及ぼすことがあります。
特徴として、肘の外側に痛みや張りを感じやすく、特に物を握る・持つ・手首を使う動作で痛みが強まる点が挙げられます。ドアノブを回す、ペットボトルのキャップを開ける、荷物を持つなどの動作で症状が目立つことが多く、普段の生活でも不快感を感じる場面が増えていきます。
症状が進むと、肘を動かす度に痛みが続く慢性的な状態になり、炎症による腫れや熱を帯びるケースもあります。また、肘の外側を押さえると鋭い痛みが走ったり、前腕の筋力が落ちて握力の低下が見られることもあります。
こうした症状が重くなると、物を持ち上げる、細かい作業をするなどの日常動作が難しくなる場合もあり、生活面での負担が大きくなることがあります。
テニス肘について原因について

テニス肘が生じる背景には、肘の外側に付着する腱やその周囲の筋肉に繰り返し負荷が加わり続けることが深く関係しています。手首や肘を動かすときに働く前腕の筋肉は、日常的な動作やスポーツ時に酷使されやすく、過度の負担が蓄積すると腱に炎症や微細な損傷が起こりやすくなります。その結果、肘の外側に痛みや不快感が現れるのです。
発症のきっかけとなりやすい動作として、テニスのバックハンドや野球の投球、ゴルフのスイングなど、腕を反復して使うスポーツ動作が挙げられます。また、スポーツ以外でも、長時間のパソコン作業、工具を使った反復作業、重い荷物の持ち運びなどが腱に負担をかけ、症状を引き起こす原因になり得ます。
こうした動作が積み重なると、腱に小さなダメージが蓄積し、炎症が慢性化して痛みが強まることがあります。さらに、加齢による腱の硬さや柔軟性の低下も影響し、中高年では特にテニス肘が起こりやすい傾向があります。過去に肘や前腕を痛めた経験がある場合も、組織の耐久力が低下しているため再発しやすくなります。
このように、さまざまな要因が組み合わさることで肘の外側に炎症が進行し、テニス肘と呼ばれる痛みが現れるのです。
テニス肘について症状について

テニス肘に見られる代表的な症状は、肘の外側に生じる鋭い痛みや違和感です。前腕や手首を使う動作がきっかけとなることが多く、握る・捻る・持ち上げるといった日常的な動きを行った際に痛みが強く現れるのが特徴です。普段の生活でも、コップを持つ、ドアノブを回す、ペットボトルのキャップを開けるといった何気ない動作で痛みが誘発されることがあり、スポーツではラケットやクラブを振る瞬間に特に痛みを感じやすくなります。
症状が軽い段階では動作時のみ痛みを覚えることが多いものの、悪化すると安静にしていても肘の外側がジンジンと痛んだり、前腕や手に力が入りにくくなるケースも見られます。痛みが慢性的に続くと、握力の低下につながり、重たい荷物を持つ・字を書く・食器を扱うなどの基本的な作業にも支障が生じるようになります。
また、肘の外側を押すと強い圧痛があったり、前腕の筋肉が張ってつっぱるような感覚が伴うこともあります。このような症状が重なると、肘や腕を使う動作が制限され、スポーツだけでなく日常生活全般に負担がかかりやすくなります。無理に腕を使い続けると痛みが悪化しやすいため、早めのケアが必要です。






