シンスプリント

シンスプリントは、すね(脛骨)の内側部分に痛みが生じるスポーツ障害のひとつで、ランニングやジャンプを伴う運動で特に起こりやすいとされています。運動中や運動後にすねの内側が重く痛んだり違和感が出るのが特徴で、初期は休息を取ると症状が軽くなるものの、悪化してくると歩くだけでも痛みが残ることがあります。
症状が続くと動きのパフォーマンスが落ちたり、押したときに痛みを感じる圧痛や軽い腫れが見られることもあります。
シンスプリントの原因について

シンスプリントの発症には、複数の要因が関わると考えられています。代表的なのは、トレーニング量が過剰になったり、急に運動量を増やしてしまうことです。特に、走る距離を急に伸ばしたり、連日休みなく練習を続けると、すね周辺の筋肉や靱帯に過度のストレスがかかり、炎症が起こりやすくなります。
さらに、走り方などの動作が崩れている場合も悪影響となります。着地のフォームが安定していなかったり、足首が必要以上に内側・外側へ倒れた状態で運動を続けると、特定の筋肉ばかりに負担が集中し、疲労が蓄積してしまいます。
シューズ選びも大切なポイントです。クッション性の不足した靴、サイズが合わない靴、サポートが弱い靴を履いていると衝撃が直接脚に伝わりやすく、脛骨や周囲の組織に負担がかかります。靴底がすり減っていたり、硬すぎる素材の靴も注意が必要です。
加えて、体の柔軟性の低下も見逃せない要因です。ふくらはぎの筋肉(ヒラメ筋・腓腹筋)や足首の可動域が狭くなると、運動時に筋肉が十分に伸縮できず、過度な緊張状態が続いてしまいます。その結果、筋膜や骨膜が引っ張られ、炎症を起こしやすくなるのです。こうした複数の要因が重なることで、シンスプリントが発症し、慢性的な痛みへとつながっていきます。
シンスプリントの症状について

シンスプリントの症状として多いのは、すねの内側・外側、あるいは膝下付近に痛みが出ることです。運動を始めた直後や走行中、ジャンプ後の着地のタイミングで違和感を覚えやすいのが特徴です。初期段階では“張るような痛み”や“重だるさ”として感じられ、運動をやめると落ち着く場合もあります。
しかし、炎症が悪化すると運動後も痛みが残り、さらに進行すると安静にしていてもズキズキとした痛みが続くことがあります。
患部の筋肉や骨膜に炎症が起きると軽い腫れが出たり、押したときに強い痛みを感じることがあります。症状が長引くと血流・リンパの流れが悪くなり、ふくらはぎから足首にかけてのむくみ、しびれ、冷えが出る場合もあります。
放置すると柔軟性が低下し、再発しやすい状態になるため、早期のケアが欠かせません。痛みが出た時点で無理をせず、ストレッチや患部の冷却、必要に応じて専門機関の受診が勧められます。






