野球肘

野球肘とは、肘関節やその周囲の組織に痛みや違和感が生じる症状で、投球動作や日常生活に支障をきたすことがあります。特徴的なのは、肘を曲げたり伸ばしたりする際に痛みを感じることや、特にボールを投げる瞬間に「ズキン」と鋭い痛みが走ることです。
 
このような状態が続くと、日常的に物を持ち上げる、腕を高く上げる、手を使う作業を行うだけでも不快感を覚えることがあります。また、肘まわりの筋肉や靱帯が硬くなることで、症状がさらに悪化する場合もあります。
 

野球肘の原因について

野球肘が起こる主な原因は、肘関節やその周辺組織に過剰な負担が加わることにあります。特に、繰り返し行われる投球動作や、強い力を込めた投球によって、肘周辺の筋肉・腱・靱帯に大きな負荷がかかります。成長期の子どもたち、特に少年野球に取り組む選手では、骨や軟骨がまだ十分に発達していないため、投球数が多いと肘の障害が起こりやすくなります。
 
さらに、肩や体幹の筋力が不足している場合や、投球フォームが崩れていること、無理な投球スケジュールや休養の不足も、リスクを高める要因となります。長時間にわたる練習や、過度な負荷が積み重なることで、肘関節に小さな損傷が少しずつ蓄積され、やがて症状として現れるのです。そのため、日々の練習では正しいフォームを意識し、適度な休息をとること、体幹や肩の筋力をしっかり鍛えることが予防には欠かせません。
 

野球肘の症状について

野球肘の代表的な症状には、肘の痛みや腫れ、動かしにくさなどがあります。特に投球動作や肘の曲げ伸ばしの際に痛みが増し、速い球を投げたときや連続して投げる場面で症状が目立つようになります。また、肘の内側や外側を押したときに痛みを感じたり、肘の可動域が制限されることもあります。
 
症状が悪化すると、投球時だけでなく、日常生活の中での肘の動作—たとえば物を持ち上げる、ドアノブを回すなど—でも痛みを感じることがあります。さらに、場合によっては肩や前腕にまで違和感や重だるさが広がることもあるのです。野球肘を放置せず、早めに専門の医療機関で診てもらい、休養・ストレッチ・必要に応じたリハビリテーションを行うことが大切です。
 
軽度の症状でも放置せず、正しいケアを行うことで回復や再発防止につながります。当院では、患者様の症状や投球フォームに応じた施術やアドバイスを行っておりますので、肘の違和感や痛みが気になる方はぜひご相談ください。